「おや、早かったな。秋蛍はどうした?」


部屋に戻るとすぐに、華京が侍女を連れてやってきた。

どうやら着替えを持ってきてくれたらしい。


「疲れた、と。お部屋に戻ってしまわれて……」


「はあ……、まったく。あいつらしいな」


華京は呆れて息をつきながら、椅子に座った。


「聞きたいことがあるんです」


「うん?」


「鏡を鎮めるとはどういうことなのですか」


「……やつめ。そこまでわたしに丸投げする気か」


華京はしばらくふむ、とどう説明するか考えて口元に手をやった。


「願いの鏡、約束の鈴、希望の香。これら3つは、もともと同じ国が所有していたのだ。しかし、それをめぐる争いにより国は分かれ、今も争いは続いている」


「もしかして、それは今の鏡、鈴、香の三国なのですか?」


「その通り。わが国には、願いの鏡がある。しかしそれはごく一部の者しか見ることは許されない」


「………」


「願いの鏡といっても、鏡は願いを叶えてくれはしない。3つ揃ってこそ、力を発揮するのだ」