父王のもとへと急ぐ二人も、大きな揺れに立ち止った。

あまりの揺れに地に膝をつき、珀伶が香蘭を守るようにして庇った。


「これは……!?」


さっきの部屋の方角から、嫌な感じがして香蘭は胸を押さえた。



秋蛍様と憂焔は無事?



揺れが収まっても、外のほうから地鳴りのような音が響いてきて、よく耳を澄ませば金物の交わる音と、幾人もの人の哮り声だった。


香蘭と珀伶は視線を交わし、一気に駆け出した。


外の光景は、目を疑うものだった。


兵士達は剣をぶつけ合って血を流し、王宮のあちこちで火の手が上がっている。

血の匂いと煙の匂いが入り混じって、あまりの気持ち悪さに二人とも袖を鼻に押し当てた。


「どうしてこんなことに」


香蘭は目の前の光景から目を逸らすように俯き、へたり込んだ。


鏡の中で見た笙鈴の時代の光景と重なって、体が震え、胸が苦しくなる。