首を傾げる香蘭の後ろから香蘭を呼ぶ声がし、すぐにハルが曲がり角からひょっこり顔をのぞかせた。


痺れを切らして探しにきたらしい。


「リン、どうかしたの?…あれっ」


ハルは憂焔の姿を見て、驚きを隠さずに二人のところへ駆けよってきた。


「憂焔?どうしてここにいるの?」


憂焔は笑いながらハルの頭をがしがしと撫でた。


「聞かなくてもわかるだろ」


「わあ、もしかしてリンを追いかけてきたの?やるじゃない」


二人が騒ぎ始めて、道行く人がこちらをちらちらと横目で見ていくのに気付いた香蘭は、慌ててハルの口を塞いだ。


「と、とにかく、会えて嬉しいわ。だけどここで騒ぐと目を引くから、宿に戻りましょう」


憂焔の返事も聞かないまま、彼の手を取って急いでその場をあとにした。