息を切らして、へなへなと膝を地面につけた。





あのまま逃げ続け、なんとか敵を撒いて街のはずれまで辿りついた。




しかし香蘭はもうくたくたで、しばらく立てそうにない。



そんな香蘭をハルが心配そうに覗き込んだ。


「大丈夫?」


「ふん。普段走らないからそういうことになるんだ」


秋蛍がそう吐くのを香蘭は悔しい思いで聞いた。



香蘭は体力には自信があるほうだった。


いつもこっそり城を抜け出して鍛錬をしていたし、その辺の兵士たちより腕もあった。


宮にいる間に体力がなくなったとしてもこれほど二人と差は出ないだろう。



まだ肩で息をしながら、二人を横目でちらりと見た。



香蘭は結論を出した。




この二人がおかしいのだと。



あれだけの距離を走って置きながら息も乱していない。


たった今まで走っていたことなどなかったかのように、二人とも涼しい顔をしていた。


「そろそろ行こう。追いついてこられたら困る」