「…っ!」

スッゲェ…。



俺は、目の前の景色に目を疑った。

全面…オレンジ色に染まってた。



あのころと、変わらないままだった。



「ねー?綺麗でしょ?」

そう言って、にっこりわらう…アイツ。

俺の隣の小さな天使。


あぁ!もう!!

俺はアイツの耳元で、そっと囁く。

「~…~~」



可愛かったから言ってやった。


アイツの顔が、どんどん赤くなる。

「っ!!なっ!なぁっ…!」

「…プッ、トマトみてぇ」

「なんですってぇ!?失礼ねっ!」


もぅ!…と、膨れるアイツ。

そんな姿も…。

「…スキ。大好きだよ、アキト」

「え…」



いきなり、それは不意討ちだった。

「…な、なによ。だから!大好きって…言ってるの!」

「///……ほーぉ?言うじゃねーか」


なら、俺は…。

「…いいもん、やるよ」





…チュッ…――。







夕陽が綺麗な道。

【俺達が始まった場所】



またひとつ、思い出が増えた。

【初めて、キスをした場所】

「…!?いきなり、なにするのよぉ~」


「マユミのくせに俺に不意討ちしようなんて…百年ハエーんだよ」


なんか、こーゆーの…青春って言うんだろーな。



―マユミのほうが…綺麗だけどな


この言葉…いつか、もっと堂々と言えるようにしたい…。

アイツにふさわしい。って、自分で思えるように…なったら。