いつも通る、この坂道。


学校からの、帰り道。


とても夕陽が、綺麗な道。




思い出の…道。



「わぁ~!!見てアキト!」

いきなり、トトトトッ…。と、俺から離れていくアイツ。

「…んー?」

今にも転んでしまいそうな危うい足取りで緩い坂を登っていく。

そんな走り方に、思わず顔が綻ぶ。

坂を登りきったであろうところで、アイツは俺に向かって叫んだ。

「ねー!!ここから見える夕陽、すっごい綺麗だよー!」

こっちを見ながらぴょんぴょん跳ねている。

「アキトもこっち来なよっ!!」

アイツが動く度に長く細い影が、小さく揺れる。

「…可愛い、な」



やべー…///

つい、本音が出ちまった。

「えー!?何ーーっ??」



…どうやら、この天然お姫様には聞こえなかったらしいけど…な。