「……な、に。言ってんだよっ」

突然の誘いに戸惑いが隠せない。

声が裏返っていた。

「冗談、じゃ…無いよ?本気、だから」

俺の上のアイツは、震える声で呟いた。

だけど…その目は、まっすぐだった。



そして…迷いがあった。


ふたつの思いが入り交じって…戸惑って見えた。


「…なんで、いきなり。そんなこと言い出すんだよ…」

そんな…迷った目をしてるのに。



なんでっ…。



しばらく、間があった。

その沈黙が…とても長かった。

まるで…。


時が止まってるかのように。


この沈黙に、耐えきれなくなった頃…。


アイツが、重く唇を開いた。

「好きだから…だよ」


そう、一言だけ言い残し…。


俺に。



チュッ――…。














キスをした。