思わず駆け出したくなる衝動に駆れるが、 エレベータの中で一つ深呼吸。 柄にもなく焦っている自分に 俺は苦笑した。 扉がゆっくりあくのももどかしい。 抜けるように降りると、 すぐにポケットに入っている 携帯電話を取りだす。 18:10 無機質な画面に時刻が照らし出されている。 「建志」がとるかもしれないが、 それでも、 俺の焦っている気持ちの方が勝った。 俺は、 志保にコールをした。