商店街から少し離れた人気の無い、もの寂しい通り。



道の両脇を見まわしても薄暗い通りには
ガランとした質素な喫茶店が右側にぽつんとあるだけで他のお店は営業していない。



右と左側。
ずらっと道の前方へ続く建物の正面にはシャッターが閉まっており活気の無い事が手に取る様に分かる。



“テナント募集中”のチラシが貼ってあるのを見る限り、お店はもう経営していないんだろう。



そのチラシも雨風にやられたのか、はたまた誰かに破られたのか…

ぼろぼろの状態で辛うじてシャッターに貼り付いていた。



多分、あと数回強風がこの通路を通れば簡単にチラシは浚われてしまうだろう。


文字の薄れ掛けた店の看板をまじまじと見つめ、私は更に足を進めた。



今の時間、通りには私しか歩いている人がいない。



道を歩くミュールの音だけが耳に響いた。