「いつもお越しいただいて感謝しております。しかし、プライベートに関しては御教えすることは出来ないのです」



「えーおかしくない?芸能人でもなんでもないんだし」



「てか、最近碧くんに人気取られてから感じ悪くなったよねー」


「確かにーじゃあ碧くんに聞いてみようかなー」


と、口々に悪口が聞こえる。
しかし、こんなんでへこたれるほど弱くはない。
それでは、と席を後にしようとしたその時。



バシャーン!!!


腕を掴まれ、振り返ったと同時にホットコーヒーが私に降り注いだ。
あまりの衝撃に驚いて、固まってしまった。
水じゃないんだ…。


「お客様、お怪我はないですか?」


そう、たとえ濡れようとも動揺しない。
お客様第一に考える。
接客としても、こういう客に対しても有用だ。



「はあ?なにそれ。なんとも思ってませんって?つまんねーんだよ」


ああ、今度はアイスコーヒーか…そう思って、目を瞑ったが今度は降って来なかった。
目の前には碧が立っていて、彼がアイスコーヒーを被っていた。