HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-

「全然書けてなかったでしょ?」

 うわっ、テストできてなかったの、見られてたのか……。

「全然わからなかったんです」

「だってあんなにきちんとノート取ってたじゃない?」

 うっ! 嫌味だなぁ。

「だから数学苦手だって言ってるでしょ!」

 私は思わず身体を起こして真正面から清水くんを睨んだ。清水くんも同じように背筋を伸ばしてニッコリと笑顔を見せた。



「やっと、俺を見たね」



 ――なんだ、そのセリフは!?


 息が止まった。この人は誰にでもこういうこと言うの?

「さっき触ったの、そんなに嫌だった?」

 と、自分の額を触るしぐさをした。前髪が少し上がってぱらぱらと落ちてくる。その様子につい見惚れてしまった。

「……びっくり……したんです」

 だって普通、隣の席の人にそんなことしないもの。

「そっか。驚かせてごめん」

 清水くんは素直に、そしてとても申し訳なさそうに謝ってくれた。少し胸が痛い。なんでだろう。誰か教えて。

「お詫びに数学教えてあげるよ」

「……はぁ」



 ――って、えええええ!?