冬の花



私が桜木くんに近づかなければ

朝倉先輩にもあの子達にも何もされない



大丈夫


まだ間に合うから


まだ親しくなってないから。



今気づいてなかったらきっと

もっと酷いことになってた



それに比べれば何でもないよ



少し前に戻るだけ




「冬花?」


「雪野さん!」



あまりの寒さに耐え切れずに

いつの間にか廊下に寝転んでいた




なんだか頭がぼぉっとする




ふわり体が浮く感覚がして


そっと目を閉じる





少し甘い香りがした