冬の花



「大丈夫。」



ふらふらと歩く私に合わせて

歩いてくれる桜木くん



私の肩に触れている手に

伝わってしまいそうな程の


胸のドキドキ



どうしよう


胸が苦しいよ



「冬花!」



トイレから出て来た私を

苦しいくらいに抱きついてきた美咲



私は抱きしめられて

大好きな美咲の香りで



少し乾いてきたはずの涙が



ぽろぽろと溢れ出した




涙が美咲の制服に染み込んでいく




私は涙と水でびちょびちょになっていた