私は桜木くんの力にあっさり負けてしまい
桜木くんの胸にすっぽりと入っていった
「ちょっとだけ許して。」
上から落ちてくる声
桜木くんの顔が見たくて上を向くけど
桜木くんは私の肩に頭をつけていて見えない
だけど、その代わりに更にぎゅっと抱きしめてきた
肩に回る手が、耳に触れる息が
私の心臓を内側から押し上げてくる
「さて、花園さん行こうか。」
「えっ。あ、うん。」
そっと桜木くんは体を離し微笑む
ぽかんと立ったままの女子生徒をおいて
私と美咲、桜木くんは早々と階段を降りる
「どこ行くの?」
「着けば分かるよ。」
真剣な目にまたドキドキさせられた



