桜木くんはどういう訳か


私の顔を見て柔らかく笑っている




私は恥ずかしさのあまりぎゅっと

桜木くんの制服を握ってしまう




「怒らないからさ、誰に頼まれたか教えて?」


「あ、えっと。」




桜木くんはずっと私を抱えたまま



女の子達に問いかけるけど

女の子達は口を開こうとしない





私はすくっと立ち上がって深呼吸をする




「答えて。」


「えっ。」




彼女達は困惑してたけれど


私はみんなに聞こえるくらい大きな声をだす




「誰か答えて!!」





キーンっと耳に響き



恐怖を呼ぶ声色