「お邪魔します」 少し震える心を押さえつけて蒼太の部屋に入った。 いつもなら蒼太のお母さんもいるリビングだが、今日は蒼太の部屋だった。 「瑠花ごめんね?硝子割っちゃって…ちょっと引っ掛けたんだ…」 「ん、そっかそっか。怪我してない?蒼太」 あなたが割ったんでしょ? どうして嘘つくの? 「ねぇ、蒼太……私に隠してること、ない?」 -割れた硝子と同じく尖り血を滲ませる心を柔かにする「太陽の涙」は降り注ぐのか-第五章 始まり