―――ブイーーーン!
「ひゃっ」
急に聞こえてきたバイクの爆音に、私は耳をふさいでしまう。
ザッと風が起こって、私は髪の毛を押さえた。
去っていくバイクを見送る。
「ひゃー…ビックリしましたねぇ」
「―――そうだね」
篠田センパイは苦笑してる。
「…あっ、ごめんなさい!話遮っちゃって…」
「ううん。大したことじゃないから。…帰ろっか」
篠田センパイはゆっくりと歩き始める。
私は篠田センパイが何を言おうとしてたか気になりつつも、その後を追った。
大きい背中を見て、ちょっと寂しくなった。
センパイ、何考えてるのかな…?
もしも私に、その背中に抱きつく権利があるなら。
きっと、その答えが聞けるんだろうな…。