Material Boy

カタカタと無言で報告書を打ち込む。

一時間以上野乃から遅れて、

遥火が企画室に戻ってきた。


「あ、滝沢くんおかえりなさい。」


室長がホッとした様子で遥火を迎えた。


「あ、これ組合長のとこのコロッケもらった。」

「わあ、美味しそう。ここの並ばないと買えないのよね。

 営業部に差し入れしちゃおうか。うちは3つあればいいものね。」

「お茶入れてきます。」

野乃は立ち上がって給湯室に向かう。

なんで、こんなに一人でイライラしているんだろう。

遥火はいつもと変わらない様子で

自分だけが空回りしているんだと情けなくなった。