遥火はスケッチブックにひたすらペンを走らせる。


「へえ?いいじゃん。

 まだ行く?

 そっか、俺もちょい疲れたな、

 休ませてもらうかな。」


ブツブツと独り言をつぶやいて

 大きく伸びをすると、

ふいっと脱力する。

そのままスーっと眠りに入る。

今日はそれをもう幾度となく繰り返していた。


しばらくして、目を覚ました遥火は

台所に立ち冷蔵庫から野菜を取り出しザクザクと切り始めた。

土鍋はないのでやや大きめな鍋に水を張り、

手当たり次第野菜を放り込んだ。

ここは、言わずと知れた野乃の部屋だ。

肉を冷凍庫から冷蔵庫に移し野乃を待つことにした。