Material Boy

「な、失礼です。」


「心配しなくても大丈夫よ、

 滝沢遥火の人気なんて、物珍しさとルックスだけ、

 すぐに飽きられて、利用価値もなくなるわ。


 そのあと会社のお荷物にならなければいいけど。


 鮎川さんあなたは知ってるの?


 彼が、国籍も、両親さえもわからない孤児だったこと。


 これが公になれば

 人気なんてすぐ地に落ちる。


 それまでに十分名前を売ってもらって、

 新しいプロジェクトを印象づけて成功させなきゃね。


 はあ、それにしてもとんだ貧乏くじだわ、

 さっさと企画立ち上げてもらって、下の部署に戻りたいわ。」


「今からでも、戻ればいい。」

「え?」