「おいで。」


ソファーに横になったまま広げる両手に、

吸い込まれるように体を預ける。


「会いたかった。

 ただいま。」


抱きしめられて、背中で遥火の声を受け止める。

神経がピリピリ騒いで、

胸に痛みが走る。


「お帰りなさい。」

遥火は野乃の髪に軽く口付けてからすうっと呼吸した。

「野乃の匂いだ。萌える~!」

いつもみたいな悪戯そうな笑顔で

けらけら笑う。

「馬鹿、また変な日本語覚えたのね~///」