Material Boy

「お、始まったぞ。」

朝の情報番組。

フェア-のことを大きく扱ってくれることになってて

最初の5分間レポ-タ-がいろいろ説明しながら体験して、

ああ、あそこでこんなことあったなんて話しながら見て、

残りの10分のうち5分は、今回の趣旨や会社のことなどを説明する

室長が写っていた。室長がまだ大学生だったり、

美人だったり、そんなことがやけに誇張されてるのが気になった。

残りの5分は、遥火のことが取り上げられて、

アメリカ帰りのイケメン芸術家としてクロ-ズアップされて、

何だか、フェア-がおまけみたいな扱いで、

番組が終わったあと、二人で無言になってしまった。

「なんだかな?」

遥火が呟いた。

「まあ、ただで宣伝してくれたことで良しとしなくちゃ。」

野乃は不安を打ち消すように笑った。