Material Boy

飲み過ぎだって言うほど飲んでた。

『褒められて嬉しい』

そう言ってた。

私の『好き』の言葉にっすごく驚いて、

泣き出した。


一つ一つのことにこんなふうに向き合って感動する遥火を、

乾いた地面のようだと思った。

落ちてくる雨をあっという間に吸収していく。

人としての生き方を学習している

子供なのかもしれない。

「いったい、今までどんなふうに生きてたの?」


野乃は遥火の寝顔を見ながら。

もっとこの人の事を知りたいと思っていた。

全てを知った上で、そばに居たい。


人というものや感情から目をそらしてきた自分が、

こんなふうに思うほど、

彼に夢中なのだと改めて確認した。