Material Boy

次の日


遥火はいつものようにやって来て、

朝食を摂り、メイクをしてくれる。


でも、



遥火はずっとニヤニヤしてるし、

野乃の方は恥ずかしくて顔が上げられない。



「ねえ、前向かないと化粧できないんだけど。」



「いい、大丈夫!自分でするから。」



「ダメ、俺これしないと落ち着かないし。

 野乃を綺麗にしてあげたいんだ。

 ほら、遅刻するよ。顔上げて。」



いつまでたっても言うことを聞かない野乃に、


「言うこと聞かないとキスするよ。」


耳元で囁かれて、


野乃は、ますます真っ赤になってゆでダコみたいになった。



遥火は笑いをこらえながらメイクをした。