「お前用事有るんだろう?」
「何で知ってるんですか?」
「浮き足起ってる」
「でも、皆が大変な時にデートは出来ません。ソレに「そうやっていつも自分は二の次にしてるお前、痛々しいよ…」
″痛々しいよ″
「…っ……」
図星なだけに言葉が出ない。
「浅倉キツすぎ……木村、今日は本当に女性陣は帰ってもらいたいんだ。不審者がまだ捕まってない以上遅くなるとわかってて残業なんかさせたくない。だから今井も村瀬も今日はお疲れ様」
「茉ちゃん今日は帰ろう?」
渋々会社を出た私達
「浅倉君の言葉を真面目に受け止めちゃダメよ茉ちゃん!」
「解ってます…」
部署の人達は皆私が身寄りがないのを知ってる。
夜な夜なキャバクラで働いてた事も知ってる思う。
自分が納得するまで黙っててくれた。
恵さんと付き合って数日後にキャバクラは辞めた。
ソレをどこから嗅ぎ付けたのか解らないが問い質され説教された。
呑み屋の座敷で正座させられながら。

