「はっ?」
「進行が早いんだと…」
癌
「冗談…だろ?」
「冗談なんかで毎日大量の薬飲むかよ」
鞄から出てきた何袋もの薬
「だからといってはなんだけど、茉に1人でも生きていけそうにしてやってくれ」
?
「俺じゃぁ甘やかしちゃうから…茉が1人で大丈夫になるまで隣に居てくれないか?」
それって…なんか微妙だな。
「親父って木村の事好きなのか?」
一瞬考えた親父からはとんでもない答えが返ってきた。
「好きではない」
酔っ払ったとお愛想して店をでた。
“好きではない”
ここまで聞いたら何だ?と思うけど、親父の顔は幸せそうだった。
“愛おしい”
多分次の言葉はこれなんだろうなと思った。
それから2年弱が経ったある日
「馨!父さん結婚して良いか?」
″すれば″と言ったら嬉しそうだった。
「式は?」
「俺は挙げたいんだけどな〜茉が写真だけで良いって言うんだ〜」
マジで落ちてる親父にうける

