双子は立派に育った。 二人とも父親が王とは思えないほど、誠実で優しく真面目に。 カインは王子でありながら王の護衛の騎士団の団長となった。 アベルはその副団長であった。 王に忠誠を誓う、素晴らしい騎士団であった。 ある日、カインは王に呼ばれた。 王、直々の秘密の命であることを言われていた。 カインは、そのような大事な命を自分に与えてくれることを誇りに思いながら王の元へ向かった。 しかし、王から言い渡された命は思いもしないものだった。 「弟、アベルを殺せ」