淡い光がレンを包む。






「暖かいな…。」
レンの瞳が金の光を帯びる。





突然レンが立ち上がる。





「!」






両手でさゆりの手を握り締めている。





「やっぱり君は僕の巫女だ!」





「あっ?へっ?!」






キラキラとした目にキラキラとした白い刃が…。




うっ…。眩しい…。






思考の着いていかないさゆり…。





「白蛇のくせに…。」
ポツリと緑の君が言う。




人格変わってませんか?二人とも…。





「君のような妖しと同じにしてほしくない…。」




あっ?あの~?もしもーし?





今にも二人とも飛び掛かりそう…。





ぐらり…。
「あっ…れ…れ。」






藤の花びらがさゆりを包む。





緑の君がさゆりを抱えた。





「ごめん…。さゆり…。」





「緑の君…。」





「今は眠って…。」






私言わなきゃいけないことがまだ…。





さゆりは意識を手放した。





それを確認して緑の君は問う。





「お前何者…。」






藤の花びらが集まり人の身体を作っていく。





「私は…。あの土地、数百年の歳月、藤の木に宿りし精霊。」






「道理で…。力がこっちよりだった。」





「神木に近い尊き彼女に力を貸してもらった…。そして、遂にスーリアに出逢えた。」





「さゆりは…。」






花びらが舞う。






「私は…。藤乃…。巫女に名を貰ったもの…。求めるなら貴女を…。私は…。常世を繋ぐもの。」





さゆりの頬に口づけて消えてしまった。






愛しいものを抱きしめて空を見上げた。
休火山の上に輝く星に…。弓月…。






「さゆり…。」






学園と神社…。






「神々と精霊…。妖しが集まりつつある…。」






眠る愛しいものを強く抱きしめた。
側にいたい…。





抱きしめて優しく口づけて…。





家路につく。輝く緑の髪に風が吹く。





星も月も空気が清んで瞬いているのに何処か寂しそうなのは…。





眠る巫女は気付いてない。





何かが動き出す…。