水の音に変な感じ。
ついでに何かがあたる。





「私の道行きはばかるものよ。我は道の守りなり、邪魔するものは死行き…。」






何か今不吉なことをこの何かは言いましたか?






ずずずずず…。






何かを引きずる音に、暗い道。静かに響く声。
空には三日月がうっすら見え隠れする。






ピチョン…。ピチョン…。
水…。






ぴちょん…。ハッハッハ…。
なんか生暖かいような。





「水…。冷たい…。冷たい?生暖かい…。」






布団から起き上がる。
生暖かい原因がいた。
「だいず…。」






犬の大豆だった。顔をなめられ朝日が部屋に差し込んで眩しい。





バサバサ!






鳥が飛んでいく。






「変な夢。」





目覚まし時計に目をやる…。あっアウトー!!
身支度済ませてダッシュ…。遅刻です!





境内を疾走。砂利の音が響き渡る。





後ろから山姥…。失敬。
おばあちゃんの怒声が聞こえたがそれどころではない。





遅刻はヤバイ。





息が上がりながら教室へ滑り込みセーフ!





「おぉー!」
パチパチ…。
「凄い凄い!」





「まり…。おはよう。」
ゼイゼイ言いながらやっと親友に挨拶。





「珍しいねさゆりがギリギリなんて。朝に強いのに。」





「変な夢のせいかな…。」





「「夢~?」」





にやつく二人…。






「夢見るくらいなことか別なことで忙しいんじゃないの~。」






いやいや…。また二人で変な妄想を。






「やっぱりデート出勤じゃ目立ちますわよね?奥様!」






「ですよね~。」






「ちょっと!二人で!」





「内緒内緒!きゃあ~。」





二人で興奮してどうするんですか…。






そのうち黄色声が何処からか聞こえた。






「おっ!噂をすれば…。」





緑の君が通り過ぎる。





ただ目があっただけなのに赤くなる。





「おはよう…。」






「おはよう。」






髪を指さす。






「寝癖ついてる。」





そして撫でられた。





黄色い悲鳴が響き渡る。




ヤバイ。やっぱりカッコイイです。
恥ずかしい。






やっぱり目立つな緑の君…。