世界の終わりに、君は笑う




少し進めば、また数人の死体が転がっている。
幸いにもフレッシュイーターはいなかった。

「誰かが殺したんだな」

フェイが言う。
死体は、体中から血を流していた。
中には首のない者までいる。

「一体誰がこんなひどいことを……」

アンネッテは顔をしかめる。
そして森を抜けた所にも、死体が転がっていた。
地面についている血の跡を辿っていくかのように、黒猫は進み続ける。

緩やかな坂を上りきったとき、突風が吹いた。
思わず、彼らは目を瞑る。

「やあ」

それは凛とした声だった。
目を開ければ、少し先に誰かが立っている。
いつの間にか、黒猫もその者の傍へと寄っていた。

「お前は、あのときの……」

フェイが呟く。
その深くフードを被った者は、クレタスですれ違った者だった。