「いやぁ、本当に感謝してもしきれない。ありがとう」
机の上には豪勢な料理が並べられている。長老の家は里の者たちで賑わっていた。
「この子は孫娘のアンネッテだ」
見てみれば、彼女は先ほどディオンに駆け寄ったエルフだった。
アンネッテは丁寧にお辞儀をする。
「二人の力になれることがあれば、何でもしよう。何かあれば躊躇(ためら)わず言っておくれ」
「実は、いくつかお聞きしたいことがあります」
フェイが言う。
「ほう、それは一体?」
「人工精霊を体内に取り込んでいる双子のことを、知っていますか?」
「ああ、知っておるよ。妖精ならみな知っておるだろうな」
「俺たちは人工精霊を消すため、双子を捜しています。二人の行方を知っていたら是非教えていただきたい」
長老は首を左右に振る。


