世界の終わりに、君は笑う




「ずっと捜し求めていた精霊使いを、まさかこんな所で見つけるなんて……我々はなんと運のいい者だろうか! それで精霊使いよ、お前が言う取引とはなんだ」

「……エルフの代わりに、僕がお前たちの研究所へいく。だから、子どもたちを返せ」

「なっ、ディオ……」

口を挟もうとしたが、黙れ、と遮られた。

「自分のするべきことだけに集中していろと、言ったはずだ」

フェイを一瞥(いちべつ)し、小声で言った。

「その取引に乗ってあげようではないか」

前へ出て来い、と命令される。

「子どもたちも前へ連れて来い。でなければ、僕は行かない」

仕方ない、といった様子で、眼鏡をかけた男は図体のでかい男へと目をやる。
子どもたちの腕を縛ってあるロープを強引に引っ張り、その男も共に前へと出る。

その様子を見て、ディオンも前へと足を進めた。