「取引をしようではないか」 「取引だと?」 「エルフの魂か精霊使い、どちらかが手に入るのならば、お前たちレクスはどちらを選ぶ?」 まさか……。 フェイは嫌な予感を感じる。 「当然、精霊使いを欲しがるに決まっているだろう。エルフなんて捜せばいくらでもいる妖精だ。だが精霊使いは、なかなか見つからない」 そうか、と答えながら、ディオンは手套(しゅとう)を外し、包帯を取る。 「それは!」 紅い証を目にし、レクスの者たちは目を見開けた。 眼鏡をかけた男が、声を出して笑う。