必ず助けてみせる。
 けれど一気に攻め込んでしまえば、人質である子どもたちの身が危険だ。
 どうにかしてレクスから子どもたちを離れさせなければいけない。

 くそ、どうやって離れさせればいいんだ!

「フェイ、今から言うことをよく聞け」

「何か作戦でも思いついたのか?」

ああ、とディオンは頷く。

「詳しく説明している時間はない。お前がやるべきことだけを教える。お前はそのすべきことだけに集中していろ、いいな?」

「分かった。それで、俺は何をするんだ」

「突風が吹いた瞬間、奴らに襲いかかれ」

「突風だと?」

「ああ、そうだ。子どものことは気にしなくていい。とにかく、奴らを全滅しろ」

言いながら、仮面を取り出す。

「誰ひとり逃がすなよ」

仮面をつけたディオンは、どこか恐ろしさを感じるものだった。