世界の終わりに、君は笑う




「双子を見つけ出してください。そして人工精霊を消すためにも、彼らを……殺して下さい。あなたにしか、出来ないことなのです」

アウリスの国民を――この世界に存在する人々を、守らなければならない。
そのためには、双子を殺すしか他に方法はない。

二人の命を選ぶか、多くの人々の命を選ぶか。
それはすでに、決まっていること。

「――分かりました」

たとえ殺したくなくとも、そうするしか方法はないのだから、仕方がない。
いくら自分にそう言い聞かせても、やはり内心は嫌だった。

「双子の額には契約の証(しるし)が刻まれています。そして人工精霊を取り込んだ影響か、彼らの瞳は左右の色が違います」

「オッドアイ……」

「ええ。ですから、出会ってしまえばすぐに認識出来るはずです。頼みましたよ、フェイさん」

ゆっくりと、フェイは頷いた。