「して、何用があって来たのか」

ちらりとフェイは国王の隣にいる側近を見る。察したように、国王は口を開(ひら)ける。

「ビヴァリー、しばし席を外してはくれぬか」

「かしこまりました」

側近であるビヴァリーは丁寧に頭を下げ、静かにその豪勢な部屋から出て行く。

「これでよいか」

恐れ入ります、と答える。
冷静そうに見えるフェイだったが、実際のところ、内心は乱雑だった。
本当に訊いても良いのだろうか、と今さら迷いはじめているのだ。

「はよう言うてみろ」

ごくり、と唾(つば)を飲み込む。
意を決した瞳で、顔を上げた。

「……陛下は、裏の組織――レクスと繋がっておられるのですか?」

一瞬、国王は驚いたように目を見開けた。

「誰からその話を?」

さすが国王、とでも言うべきか。まったく動揺していない