世界の終わりに、君は笑う




「双子の話しを聞いたときから、俺は双子を――この世界の支配権を、この俺が手に入れるんだと決めていたってわけさ!」

誰にも〝支配権〟は渡さねぇよ! と続けた。

「……どいつもこいつも、下種(げす)な奴ばかりだな」

苦しそうな声が、微かに聞こえた。
ふらりとしながらも、ディオンはどうにか立ち上がる。
左目が、髪によって隠されていた。

近づいてくるレクスの者たちに目を向け、舌打ちをする。

「忌々しい下種どもが」

咄嗟にディオンは腰に掛けてある短剣を抜く。

「くそ、目が覚めたか…!」

レクスの者たちもまた、剣を抜いた。
中にはディオンの動きを封じ込めようと、魔法を使おうとしている者もいる。
振り下ろされる剣をかわしながら、すばやくディオンは魔法を使おうとしている者たちを斬りつけていく。

「そこを退け!」

フェイもまたディオンのもとへ行こうと、剣に力を込めるが、エルヴィスはなかなか動かない。
一旦剣を振り払い、後ろへ飛び退く。

そして再び、襲い掛かった。
金属の激しくぶつかる音が、何度も響く。二人の力は互角だ。