世界の終わりに、君は笑う




「………」

アンネッテの中で、また彼へ対する不安な思いが増す。

 仲間なんだから……信じないといけないのに――。

それでも、心の隅では信じることが出来ていない。
それがまた、アンネッテの心を曇らせた。

その日、三人はおごそかな夕食(ゆうげ)をとっていた。
いつもならフェイとアンネッテが何かを話しており、たまにディオンも口を挟む、という和やかなものだが、今日は二人とも黙り込んだまま。

フェイはアウリスのことで頭がいっぱいなのだろう。
ちらり、とディオンはアンネッテに目をやる。
明らかに、何かを思い詰めている様子だ。