「 あ、止んだよ 」


「 急がないとまた降りそうね 」




車から降りて、私はお花を
お母さんはロウソクと線香を持って
お父さんのお墓へと向かった。




「 ・・・本当に梅雨が明けたら
 また来なきゃいけないね 」


「 そうね、綺麗にしなきゃ 」




水を換えて花を差し込んで
私は座り込む。
お母さんも私の横に座り込んで
そっと手を合わせた。




──────────お父さん。




”私、彼氏ができたよ。
すごくすごく好きな人で
すごくすごく優しい人。




今度絶対連れてくるからね。”




目を開けると、お母さんは
まだ何かをお父さんに
語りかけているようだった。