「いってきまーす!!」 風邪はあれから悪化することなく、私はいつも通り神谷くんより先に家を出た。 「あ、倉持」 「増岡綾綺、おはよう!」 「朝からテンション高いな」 「そんなことないよっ!」 いや、でも高いかもしれない。 この土日の神谷くんを思い出すだけでにやけそうだもん。 「なにかいいことでもあった?」 増岡綾綺ってすごいなぁ、なんでも私の心を読んじゃうんだもん。