何回ドアノブを回しても、開くことはなかった。 ど、どうしよう……閉じ込められちゃった……。 「ま、増岡綾綺……どうしよう」 「ん……?」 「鍵、閉められちゃった…………」 「え、マジで……」 増岡綾綺は目を見開いた。 「どうしたらいいのかな!?家に帰れないじゃん!」 「……朝、用務員が開けに来るのを待つしかないだろ。俺、今日ケータイ家に忘れたから……連絡手段ねぇし」 ま、マジですか……。