「じゃ、帰ろ!」 中山仁はカバンを持って言った。 「うん!……って、あ!」 私はあることに気が付いた。 「どうしたの?」 「私……図書室に昨日返却締め切りの本、返すの忘れてた……」 この間、増岡綾綺と図書室の本棚の整理してるときに、面白そうな本を見つけて借りたんだっけ。 「だから、先に帰ってて!」 「うん、了解」 中山仁に手を振って私は教室を出た。