「ただいまー」 「……おかえり。遅かったな」 家に入ると少し不機嫌そうな神谷くんが玄関まで出てきた。 「いや~……増岡綾綺と図書室の本棚の整理させられちゃって……」 「ふぅん……じゃあ綾綺と何時間も一緒にいたんだ」 「まぁ、そういうことになるね」 神谷くん、どうしたんだろう? ま、いっか。 「あ、じゃあ急いで晩ごはん作るね」 私はエプロンをつけ、キッチンに入った。