「じゃあ、また子でも産んだら売りにきな」


「ふっ、それはどうかな」

「まぁ、この子は大事に育てさせてもらうよ」


「じゃあ…」


話は終わったようで
あたしは暖簾をくぐるお母のあとについていこうとする



しかし、あたしが来た時のようにお母の手を握りしめた瞬間



お母はあたしの手を振りほどく


驚いて見上げるあたしの目に映ったのは、お母の鬼のような顔だった