飴細工

誰だって怖いんだ…


お前は一人じゃない


簪の音と共に姐さんの声も聞こえた気がした


そんなのきっと気のせいだろうけど日暮にはそれだけで十分だった


田中屋の手をサッとかわすと先程まで青くなっていた顔に笑みを浮かべて田中屋を見つめた



その笑顔は遊女の麻鞠ですらドキッとするようなもので


田中屋は目を見開いている


「やめておくんなし田中屋様。わっちももうすぐ新造ではなくなりますのでそれまで待ってもらえませんですかね?」



余裕な笑みを浮かべた日暮に田中屋はただ頷くしかなく麻鞠もそんな日暮を驚いた様子で見ていた