飴細工

「何故だと?そんなものお前が好きだからに決まっているではないか」


「好き…ですか?」


「あぁ、もちろん。お前の為なら身請けしてやっても構わぬ」


そう言って田中屋はにこにこと近づいてくる


「まぁ、それはうれしいお言葉です。でもわっちの何処が好きなのですか?」


「何処?だと。くははっ。わがままなやつだなぁお前は」


ぐいっ


そう言うと田中屋は日暮を引き寄せ胸の中に納めるような形で話し出す


「お前のその力強い目、透き通るような肌…」



そう言いながら田中屋は日暮の首を手の甲でなぞり始める


「細いが女らしい足…そしてあどけなさがまだ残るこの唇」


「んんっ!」


今まで足をなぞっていた手が日暮の両手を掴んだと思った次の瞬間


日暮の唇は田中屋の唇で塞がれていた


恐怖で固まる日暮は目を見開き口内を犯していく田中屋の気持ち悪くぬるっとしたものの感触に怯えている

そしてそんな日暮をいいことに田中屋の手は着物の中へと吸い込まれていく


しかしその時、



「田中屋様っ!」


準備を終えてやってきた麻鞠が2人の有り様を叫んだ

「おぉ、麻鞠か…。お前が遅いのでな、ちと日暮を吟味していた所だ」


「はい、そうでしたか…。でもきまりを守ってもらわなくては困りますよ?今夜の田中屋様のお相手はわっちなのですから、他の遊女にうつつを抜かさないでくださいね」


そう言って優雅に笑うと麻鞠は田中屋を連れて出ていった



残された部屋でまだ呆然と宙を見上げる日暮の目には涙さえ浮かんでいなかった

ただ、もうあんな経験はしたくなかった