私の視線の先を追った先生が ”ああ、それか”と小説を手にとって 「 読んだのか? 」 と、パラパラとページを捲りながら チラリ、と私を見た。 「 ・・・途中まで 」 ふーん、と興味なさそうに 先生は最後の方まで見て、 「 最後まで読め 」 ”すっきりしないだろ?”と 小説を私の頭の上に乗せた。 片手でそれを取って、 「 ・・・いいです 」 と、元にあった場所に戻して 私は部屋の窓を少し開けて だけど、カーテンは閉めた。