部屋に入って1時間と少し。 先生の匂いに包まれながら 私は頭を抱えて、 1番大切なことを 忘れそうになっていることに 気付いた。 ────────────ガチャッ 「 ・・・・直斗 」 「 ・・・・・ん? 」 ソファに深く腰掛けていた先生が 振り向いて、私に手を伸ばす。 そっと手を重ねながら、 私は先生の前に立った。