一気に近くなった距離。


「ちょっ…!」


ぐいぐいと押し返そうとするけれど、ものすごい力で抱かれているので無理な感じ。


っていうか、彼女じゃない!!(さっき告白されたけど返事をしてないもの)
否定しなきゃ…!


でもなかなか声がでない。
わたしの思考回路は爆発寸前。


まず、密着しているという事実に顔が赤くなるし、ふわりと香る柑橘系の匂いにくらくらする。


それに…彼女だなんて!


声も出せないまま、流されるがままになっていると、


「ごめんなさいっ…!」


一言だけ言い残して女の子は教室を去って行った。


あっ!
誤解されたままあああ!