「―――りお」 泣いてるりおを振り向かせ――― 「若、」 「榊」 悲痛な視線を送る榊が首を横に振った。 想いのままにりおを抱き寄せることを阻む。 「りお、……ありがとな」 引き寄せてりおの髪にくちづけその細い肩をそっと離した。 ―――榊が止めなかったら。 りおのくちびるを奪っていた。確実に―――